今回は堆肥について語りましょう。
皆さんは堆肥と言えば何を思い浮かべますか?
やはり一番は腐葉土でしょうか。
落ち葉を山積みし発酵させてつくる堆肥です。
堆肥の王様とも呼ばれるほど人気ですね。
ただ、実は、堆肥は腐葉土だけじゃないんです。
牛糞
鶏糞
豚糞
バーク堆肥
と実にさまざまな堆肥があります。
一つ一つ見ていきましょう。
どこにでも売っている定番堆肥「牛糞」
まず牛糞ですが、これは牛の糞と選定枝などの植物残渣を混ぜ込み発酵させたものです。
牧場ではどこでも作られているものですね。ホームセンターにも必ず置いてあります。
牛の主食は牧草などの草類になりますが、穀物などたんぱく源の餌も牧場でやっているようです。
そのおかげか、牛糞堆肥の肥料成分は窒素、リン、カリウムともに2~3%含まれています。特にカリウムは三要素の中でも多い傾向にあるようです。それ以外は選定枝なの腐植や塩類が中心になります。
牛糞は土壌改良効果のある腐植と肥料成分の二つを併せ持つ堆肥と言うことが出来るでしょう。
注意が必要なのは、やはり施肥量です。栄養分(塩類)が多い為、土と同じ感覚で入れると、発芽阻害や塩類過剰による生育阻害を引き起こします。
そういう意味では、土壌改良効果がありながらも大量に入れることのできない、少しもどかしい堆肥ともいえるかもしれません。
実際はそこまで考えない人が多く、大量に施肥して後になって生育障害が起き原因に気づかないというケースも多々あるとか。
気を付けなければなりませんね。量さえ気を付ければ20kg300円前後と比較的リーズナブルでお得ですから。
肥料効果が高くカルシウムも豊富な「鶏糞」
次に鶏糞ですね。
鶏糞は堆肥というより、肥料の位置付けの方が正しいです。ちまたでは堆肥と呼ばれていますが。
なぜなら、肥料成分が高いからです。窒素3~5%リン約5%カリウム3~4%です。
鶏糞には尿も混合されているため、箇所によっては窒素5%を軽く超える場合もあります。というか、匂いを嗅げば、ものすごい肥料成分だとすぐにわかることでしょう。
ここで盲点となるのが、三要素分以外にカルシウムも10%以上含まれる鶏糞堆肥が多いということです。
これは鶏糞の育て方と用途で大分変ります。
例えば平飼いにしている鶏糞は、肥料成分は低く、腐植が多めの良質堆肥となります。
しかし肉用の鶏糞は大量に窒素肥料を与えているため、窒素分もそれなりに高い鶏糞になります。
鶏卵用はカルシウム材を餌として補充するので、その分カルシウム成分が上がります。
このように鶏糞一つとっても、さまざまな肥料成分のものがあるので、事前の調べがかなり重要です。
そして何より、施肥量には気を付けなければなりません。
化成肥料と同じくらいの位置づけで施肥するべきです。
そして鶏糞をやる場合、絶対に石灰を散布してはいけません。
なぜならカルシウム過剰になって生育障害が多発してしまうからです。
というように注意事項は鶏糞もあります。
しかしそれを乗り越えればコスパ最強の肥料になりえます。
なぜなら15kg100円以下で買えるからです。
使いこなす価値は十分にある堆肥だとあぐりえびは思っています。